日本と少し違う? 出産体験記


今回は私の個人的な出産体験レポートです。ご興味のある方だけどうぞ!

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11月10日(土)朝8時に入院準備をして病院に来るように指示されたので、父と共に15分前に病院へ到着。入院手続きをして産科へ移動。産科へは父は入れず、ご家族の方は夕方5〜8時の間に来てくださいと言われ、父は着いて早々に病院を後にしました。
旦那さんはこの日朝イチの便でシンガポールから香港に向かっていました。10時半に香港に着く便なので、お昼頃には父と合流できるでしょう。





すぐに体重測定・血圧測定・尿検査後、ベッド番号を指示されピンク色の入院着に着替えます。手書きのネームプレートが公立病院っぽい。

着替えてベッドに横になると、すぐに赤ちゃんの心音を測ります。30分ほど測っている間、隣のベッドの妊婦さんは陣痛が辛いらしく、「フー、フー」と息を吐いています。見ているこちらが辛い。早く彼女を分娩室に連れて行ってあげてほしい…。

心音検査後、出産にまつわる同意書にサインをしたり、分娩室の説明書を見せられます。

ピンク色の服に着替えたばかりですが、すぐに分娩室に移動して陣痛誘発剤を打つので、後ろ開きの紫色のガウンも上に着てくださいと指示されます。

一つ上のフロアに歩いて移動。分娩室に入りベッドに寝かされます。分娩室は2名用になっていて、すでに先にお産体制に入っている香港人妊婦さんがいました。NST(ノンストレステスト)と陣痛誘発剤の点滴開始。このとき10時50分。まだまだ痛くも痒くもないので余裕です。

助産師から設備の説明。痛みを感じてきたらこのマスクからガスを吸ってください、と言われ、ベッドの枕に置かれた笑気ガスマスクを説明されました。NSTで胎児の心音と子宮収縮を測っており、子宮の収縮=子宮の張り=陣痛の頻度や長さを測ることができます。

そのあと、内診かと思いきや「少し痛いですよ」といわれ、何をするのかと頭を上げて下半身を見ると、鉗子のような道具を入れようとしているじゃないですか。「げ!」と思うと同時に鋭い痛みが。そしてすぐにジュワッと生暖かい液体が下腹部から流れ出したのが感じられました。おそらく強制的に破水させたのだと思います。結構痛い!心の準備をさせてほしいものです。

そこからしばらくすると、お腹の張りを頻繁に感じられるようになりました。しかしまだ張り程度で痛みまではいきません。この頃昼の12時。ちなみにこの日、何も食べられていません。陣痛が来るまでは空腹との戦いでした。

そのうち、隣の妊婦さんの呼吸が苦しそうになってきました。本格的な陣痛が始まっているようです。唸りから時々叫びへ。カーテンで仕切られているので見えませんが、聞いているだけで痛い。誰も立ち会っていないようです。(私がいるから満床の場合は立ち会えないのかな?)

次第に助産師が5〜6名入れ替わり入ってきて、新生児用の小さいベッドや体重測定機なども運ばれてきて、いよいよ産まれる臨戦態勢に。そして、産まれました。最初赤ちゃんは泣いてなかったけど、数分後に元気な産声が。なんだかその時自分のお産じゃないけど涙が出てきました。知らない人だけど、おめでとう!おめでとう!と思いました。ちなみに男の子か女の子か助産師に聞いたところプライバシーの問題で答えられないのよ、とつれない返事でした。このとき、13時頃。

14時近くになると、自分の子宮の張りにもだいぶ痛みを伴うようになってきました。感覚は時計を見ていると5分置き。普通のお産の場合、この頃病院へ移動するのでしょうか?
病室の電話から旦那さんに電話する?といわれましたが、旦那のシンガポール番号の携帯にはかけられないと言われたので父に電話を。父には香港の携帯を渡しておきました。番号覚えておいてよかった…。もうすぐ産まれそうであることを伝え、父から旦那に伝えてもらえるようにお願いしておきました。

先ほど出産した妊婦さんは、産んで1時間半くらい分娩室に滞在し、しっかりお昼を食べて分娩室を出て行きました。そして、なぜか助産師がテレビをつけてくれました。が、番組は空腹の私には辛い料理番組。ちょっと拷問のようです…。すでに痛みで食欲どころじゃないけど。

体が寒くなってきて、ブランケットを体にかけてもらいました。そして痛みは次第に声を出さないと耐えられないほどに。「痛くなったらガスを吸って」と言われますが、このガスを吸うと気持ち悪くなるんですよね…。「このガス吸うと吐きそう」と伝えると「Vomit up!?」と言われ、顔の横に汚物袋を用意されました。

が、そうも言っていられない痛みに。何かにしがみついてないと耐えられず、ガスマスクを強く握りながら深くガスを吸います。ガスのせいか、意識も朦朧としてきました。

陣痛から出産まで12時間までが安産っていうよね。でもまだ私の場合陣痛から3時間も経ってない。この痛みがあと数時間も続くってこと?死ぬ…。無痛の注射打ちたい!と思い、助産師にエピデュラルを打ちたいと伝えると、「胎児が呼吸しないで産まれるリスクがありますが、それでもいいですか?」と言われました。そんな…この痛みにこれからも耐えるのか?でも胎児にリスクがあるのは嫌だ…。やむをえない、注射なし!と判断し、耐える覚悟を決めました。

時計を見ると午後4時。もう獣のように叫ばないと耐えられない痛み。ですが助産師は冷徹に「Don't shout!!」と言います。いきむな、ということか。この助産師怖い…。いきみ逃しのために、叫ばずに深く息を吐き出します。この頃、体が尋常じゃなく寒くなり、両手の指の感覚も痺れてきました。意識も朦朧として、陣痛の合間に深い眠りに落ちそうです。気付けば、助産師たちが忙しなく大人数で動いています。前の妊婦さんが産む直前もこんな感じでだったから、そろそろ私も産まれるようです。よし、もう産んでいいんだ…とラストスパートを意識しました。

陣痛は「もう出したい!」という感覚へ。日本語で「もう出る!」と叫びますが助産師が何か言ってます。が、その英語がわからず「何…?」と息も絶え絶え会話になりません。ついに、両足をペダルにかけ、腰元のハンドルを握らされ、いきみ体制に入りました。よし!

「Push !!」
「ふん!」
「L〜〜〜〜ong !!」
「ふーーーん!!」

ちゅるん、と何かが出た感覚。産まれました。一度のいきみで。すぐに元気な産声が聞こえます。痛みから解放され、終わった…と茫然。数分後、産着にくるまれた我が子との対面。助産師に「男の子と女の子、どちらでしょうか?」と赤ん坊のお股をぐりんと見せられました。私はへその緒がおチンチンに見えたので「え…?」と困惑していると、「あ、これはへその緒ね」と言われて「Girl !!」とわかりました。「そうです、おめでとう」と赤ん坊を渡され、初めて抱擁しました。他人の出産では泣けたのに、我が子との対面は泣くのではなく、色々な感情が湧いてきていました。「うわー小さい!」「この子がさっきまでお腹の中にいたのかあ」「お腹の中であれだけ元気に動いてたのはこの子だったのか」「女の子かあ。男の子だと思ってた」など色々。とりあえず英語で「Nice to meet you」とだけ言った気がします。

胎児の体重は2240g。推定通りの低体重ですが、元気に産まれてきてくれてほっとしました。小さく産んで大きく育てます。

そこから一時間くらい分娩室にいたでしょうか。ベッドから移動用ベッドに母子共に移動し、病室へ運ばれます。廊下やエレベーターで移動の最中、疲労感と充実感で意識が朦朧としていたところに、自分の名前を呼ぶ声が聞こえたので目を上げると3週間ぶりの旦那の顔が。そのとき初めてちょっとウルッときました。旦那も赤ちゃんと初対面。ちっちゃい!と驚いてました。

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出産体験はこんな感じです。私は忘れないように出産前後でメモを残していたので結構細かく記録していると思います。日本での出産体験がないので比較はできませんが、香港の病院や助産師・医師は非常にプロフェッショナルであるため安心できます。英語で多少わからないこともあるので、事前にお産のイメージトレーニングをしておいた方がいいと思います。

何はともあれ、無事に出産出来てよかったです。陣痛から3時間半の安産でしたし、無痛分娩は出来ませんでしたが陣痛の痛さを知ったことで今後何事にも耐えれる強さを身につけた気がします(笑

コメント

  1. こんにちは。

    まずは、無事にご出産されて本当におめでとうございます!!安産だったとのことで、良かったですね。
    出産体験レポートがあまりにも詳細だったので、ハラハラしながら読みました。汗
    ちゅるんと出たってところがとってもリアルで、オフィスだったのにニヤっとしてしまいました。笑

    母子共に問題なく出産を乗り越えられて安心致しました。娘さんが黄疸で入院中とのことでまだ気が抜けないかもしれませんが、おっしゃっているように新生児にはよくあることなので、きっとすぐにenoyukiさんのところに戻ってきますね。^^

    出産にあたっての準備や、入院中の様子までこんなに詳しく書いてくださって感謝です。なんか申し訳なってしまうくらいに助かります。ありがとうございます。

    私は来週に仕事が年内の山場を迎えるので、体調管理をしっかりして過ごしたいと思います。

    ひとまず体調回復に努めて、新米ママ頑張ってくださいね!

    ハッピーなご報告が聞けて嬉しいです。おめでとうございます!

    M.K.

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    1. M.K.さん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。

      無事娘は昨日退院できました。10日程入院しましたが、おかげで黄疸も低体温も克服して元気になって我が家にやってきました。
      ヘルプにきている両親が喜んで娘の世話を引き受けてくれています(笑

      出産は女性の一生の中の営みの一つなんだなぁと思いましたが、まー大変です(苦笑
      ブログには書けないこともありますので、聞きにくいことなどもいつでも聞いてくださいね。

      もう年末で世間は繁忙期ですね。M.K.さんもつわりはまだ大丈夫ですか?
      お腹の赤ちゃんの検診が楽しみの一つだと思いますので、無理せずお仕事頑張ってくださいね。

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  4. Congratulation , oppositely I'ma HK people who is living in Japan, randomly read this post, hope you & your baby 元気で幸せでように

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    1. Dear Mi, Thank you for your comment. Almost 1 month pass away from the delivery date. Please enjoy my blog, I'm looking forward to read your comment again !

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