香港で日本の出産育児を考える


うちの会社は正社員・パート・アルバイトすべての雇用形態において20~30代の若い人が多く、その中で結婚している人も多い。だから、会社自体は女性が働きやすい環境であると言えます。製造販売している商品の中に子供・女性向け商品も多い理由もあります。


自分が妊娠するまでは日本での女性の働き方については「まー、働きたい人が働けばいいんじゃん?」と考えていましたが、日本で正社員として勤める子持ちの友人や先輩たちを見ていて、つくづく日本で女性が仕事を続けていく事に対して悩みが尽きないのだなあ、と実感しています。


自分が香港で出産育児をするにあたって、日本の働く女性の出産育児環境を客観的に考えてみたのでちょっとまとめておきます。(自分が日本に帰国したら主体的な問題になるので決して他人事ということではありません)



日本では子育て代理先が少ない

欧米ではベビーシッターは当たり前だし、中国や東南アジアでは、まだ大家族で住んでいる家庭が多いため、お母さんは自分の両親や義理の両親に子供を任せて働くことができるわけです。特に中国も都市部では女性の社会進出が顕著ですが、中国は都市と地方の賃金格差が異国間並みに違うため、ベビーシッターやお手伝いとして地方出身者を雇うことができると思います。

香港でもナニーという東南アジア人女性が専用就労ビザを取得してベビーシッターやお手伝いさんをしています。料金も日本で保育園に入れるよりもはるかに安く、4万円弱で雇えてしまいます(日本ではよく奥さんがパートをしてもその給料は保育園代に消えると聞きます)。香港でのナニー制度については後日詳細を書きますが、香港中流家庭以上では当たり前の制度です。日本人駐在妻がナニー(の人柄とベビーシッターの制度)をたいそう気に入り、日本帰国時に連れて帰りたいと思っても日本ではビザの許可が下りずに泣く泣く諦める、ということもあるそうです。

香港の朝、フィリピン人ナニーが香港人や欧米人の子供の手を引いて幼稚園や保育園に連れて行く姿は日常的です。香港企業の女性活用率が欧米並みに高い理由が頷けます。

ですが、そんな香港人ママにも悩みはあるようで、子育てを依頼しているナニーに子供がなついてしまい、本当の母親である自分には関心を示してもらえない人もいるそうで。

象徴的なテレビCMがこちらです。涙ぐましいお母さんの努力が滑稽です。(自分もそうならないように気を付けなきゃ・・・)





翻って日本では待機児童なる言葉があるほど慢性的な保育所不足が社会問題になっているし、その問題の解決方法や代替案も今のところ具体的には実行されていません。特に東京など都市部では、小さい子を持つお母さんがどれほど社会復帰しにくい環境なのかがわかります。

香港のようにナニー専用の就労法と制度を作って導入すればいいのですがそうはいかないでしょう。実際問題、日本で東南アジア人女性をメイドやベビーシッターとして雇うことは難しいと思います。言葉の問題や文化の違いがあり、日本の最低賃金も香港のそれとはかなり高いので雇うにしても費用が高くなることは目に見えています。ですが、一部の高収入キャリアウーマン女性はこの制度がうらやましいのではないでしょうか。自分の英語力も向上し、子供も自然に英語を覚えてバイリンガルに。ベビーシッターだけではなく家事・買い物・親の介護までお願いできてしまうのですから。


余談ですが、米国にはトロフィーハズバンドなるスーパー主夫がいるそうで…。日本でもごく少数で主夫はいるでしょうが、保守的概念での『男らしさ』『女らしさ』の期待が根強くある限りは難しいかもしれません。


続きはまた次回。


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